「デザインのよみかた」は、OVERKASTの大林寛と中村将大氏が「デザインの基礎課程をプロトタイピングする」取り組み。2018年のオンライン講座にはじまり、何度かのイベントを経て、プロジェクト化したものです。このプロジェクトのWebサイトでは、講義録のテキストを掲載して、ポッドキャストの配信をおこなっています。

デザインのよみかた / How to Read Design

動詞としての「デザイン」は、基本的な人間の営みであり、名詞としての「デザイン」は、わたしたちの生活にとって重要なインフラストラクチャである。これは疑う余地もない事実でしょう。しかし、デザインの教育機関に多くの専門課程はあっても、意外と基礎課程らしきものが見当たりません。それならば、デザインの基礎課程というものを、素朴に考えてみるべきではないか。そんな想いから、この活動はスタートしました。

デザインにおける「よむ」という行為

デザインに向かうとき、わたしたちはまず「よむ」ことからはじめているのではないかと思います。最初にデザインの目的を「よみ」、利用者の行動、わたしたちが生きている環境、またそれらの関係を「よむ」。「つくる」や「つかう」はそのあとにくる。つまり、デザインの基礎課程とは、デザインに関わるものを「よむ」ための「よみかた」を教えることではないか。この講義のネーミングを決めるとき、最初に共有したのはこんなイメージでした。

さまざまな「よみかた」の可能性を模索するために、まず自分たちが過去のデザインの文脈を「よみ」、新たな「よみ」を与えていく。これまで変わってきたことと変わらないこと。これから変わるであろうことと変わらないであろうこと。そうやってデザインを定点観測する場所として、「デザインのよみかた」の活動を続けてきました。

さまざまなアプローチの「よみかた」

「デザインのよみかた」の活動は、オンラインとオフラインでの講義や座談会が中心です。かつて出版社主催で書籍の解題をやった講義は、「デザイン名著よみとき」という名前でシリーズ化しました。いずれも、ひとつのテーマに対して、大林と中村がそれぞれの観点で「よみ」、その後に対話をしながら文脈を編み直していくという形式になっています。

ポッドキャストの「AFTERNOON RADIO」は、もっとカジュアルな内容で、講義のように入念な準備をしていません。しかし、テーマがしっかりある講義に比べると、わたしたちが普段考えていることを音声で残しつつ、細かい感覚のアップデートが可能です。こうして、さまざまなメディアによって体系化されたものが、「デザインのよみかた」の全体像になります。

プロジェクト化とアーカイブ

2020年になると、感染症拡大の影響で、オフラインの講義を開催することが難しくなりました。そこで「デザインのよみかた」をプロジェクト化し、新しくWebサイトを制作して、オンラインでの活動拠点をつくることにしました。

「デザインのよみかた」のWebサイトには、これまでの講義の文字起こしテキストやポッドキャストの音声がアーカイブされています。このWebサイトは、各コンテンツの量の多さから考えて、ナビゲーションとなるメニューがなく回遊性が低い設計になっています。ホームが唯一のインデックスページで、そこに複数のシングルページへのリンクが並ぶ、シンプルな低階層のハブ&スポーク型の構造を採用しました。

そして、このWebサイトは、デザイン基礎課程をプロトタイピングするプロセスをアーカイブする場所でありながら、わたしたちのライフワークとなる活動が記録される場所でもあり、自分たちが「デザイン」というものを確認する重要な場所になっていくに違いないと考えています。

Scope of work

Concept Making
Creative Direction
Information Architecture
Content Editing
Podcasting

Team

Planning, Editing, Creative Direction, Information Architecture: Hiroshi Obayashi (OVERKAST, Inc.)
Planning, Editing, Art Direction, Graphic Design: Masahiro Nakamura
Technical Direction: Takanari Sunouchi
Design Research, Graphic Recording, Editing: Namino Sakama (OVERKAST, Inc.)
Illustration: Saki Ishizuka

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